和食屋 膳 (其の二)

            &  掛け茶屋 もなむす
「膳」以前の記事はこちら
急に「膳」に行きたくなった。
しかもカウンターで飲みたくなった。

善光寺御開帳最終日の日曜の夜。
善光寺と長野駅の中間に位置するビルの2階にある、この店。

巷では、全国から「御利益祈願」の人が善光寺に向かって列をなしているという。
今日あたりは最終日なのでさぞかし街の中も賑わっているのでは・・

果たして予約が取れるだろうか。

カウンター席がいい。
カウンター席以外に座った事があるが、あそこはカウンター席でなきゃ。

他の席しか空いていなかったら今回は諦めよう。

そう思いながら電話をすると、以外にもアッサリとOK。
しかも名前を言うと
「○○様ですね。いつもありがとうございます」と、即、返ってきた。

ダンさん、
「いつも」と言われるほどの常連ではない。
一瞬、人違いされていても困ると思い

「え?まだ数えるほどしか・・」と言う。

すると、
いえいえ、予約されたお客様の名簿にございましたので・・と。

へ〜っ・・すごい。よく憶えてるなあ

「声の主は、いつも接待に出てくる、あの執事風のオジサンだったけれど
なかなかだよ」・・とダンさんは電話を切ってからも感心することしきり。

でもさぁ・・ダンさんだって電話の主の声がわかるってことは
相当通ってんじゃない?
(会社の近くだから、ダンさんが予約して部で行ったこともあるらしいし)と

何か言いたげなカミさん。



・・・・・・空を見上げると雲行きが怪しく・・

こういう時は、降られないうちに出かけてしまうに限る。
長野の街中は
思ったほど混んでは居なかった。

御開帳の最終日の夕方
遠くから来た観光客は、もう家路を急いでいるということか。

きょうは日曜日。

ETC割引の恩恵で長野まで走って来たドライバーは
当然、今日中に帰る算段をしているはずだし

長野の街は
いつもの静かで雰囲気に戻りつつあるようだ。

久しぶりの「膳」も
私達が知っている、静かな雰囲気で待っていた。

「いらっしゃいませ。お待ちしておりました」
案内係りは・・電話に出た「執事」的な人。



カウンターの中には
若い板前さんひとり。

以前、来た時にいた板前さんではない。
新人さんか?
と、思ってから気がついた。

新人さんか?なんて言えるほど、我々は通ってない


開店と殆ど同時ぐらいに入ったのだけれど
カウンター席には既に
少し前から飲んでいるらしい、
かなり落ち着いた年代の男女二人連れ。

かなりの常連さん&かなりの名士(?)のようで
Mr.執事を相手に
いろいろ興味深い話をしている。




私達はビールを飲みながら、
久しぶりのカウンター席の感触を確かめ
少し離れた席の二人+執事の会話を
アンテナを少しだけそちらに向けて
さり気なく楽しんでいた。
ダンさんが
「何にする?なんでも好きなものを」とカミさんに聞く。

「なんでもいい。お任せするわ」とカミさん。

本心でお任せでいい。
ここで出されるものは
本当に美味しいから。

オーナーが食に非常に拘りを持つ
頼もしいお方なので。
好きなものを頼む・・というより

「これ、どんな味だろ?」って

楽しみにしながら注文するのもいいかも。
器にも拘っていて
この店にある栞にも
器の作者のことにも触れているので

それを酒のツマミに飲むのも楽し。

この酒器も
実はとても良くできている。

どんな風に良く出来てるかって?


う〜ん、よく説明できないよ。

でも芸術的かつ物理学的なのだ。

理想の食器はそういうものだと思う。
板前さんが
バーナーで魚の表面をあぶっている。


この頃になると
カウンター以外の席も埋まって来ている。

でも
カウンター席
窓際の外を観ながら食事する席
広めのテーブル席

それぞれがエリアが分かれているので

他のエリアの客は見えない。

スポイト式のお醤油さしも、以前のまま。
カミさんはカウンターと窓辺の席を経験。
ダンさんはどの席も経験。

でも口を揃えて言うのは

「膳はやっぱりカウンター!」
「根曲がり竹の炭火焼」
(バーナー焼きじゃなくて)

「根曲がり竹」って言い方、カミさんは信州に来て初めて知った。
それまでは笹竹、姫竹と呼んでいたので。
長野ではこの
「ネマガリダケとサバの水煮缶詰の味噌汁」が定番中の定番。

でもこうやって焼いて食べるほうがカミさんは好き。
(と、いうか・・カミさんは鯖アレルギーだし)


この特製味噌が、ものすご〜〜く美味しくて・・

根曲がり竹にタップリつけていただいて・・

それでも余ったお味噌・・

スタッフが片付けた時は、内心

「あ、あ、あ(持っていかないで〜)」って叫んでた。

日本酒でチビチビ舐めながらが・・美味しそうだったんだもの。
そんな、カミさんの未練を察してか

(そんなワケないか)

板前さんがくださったオマケ

「新生姜の鼈甲(べっこう)煮」


実はメニューにあって
ちょっと気になっていた一品。

わかったのかな?

(だから、そんなワケないでしょ)

ダンさんの大大好物のイカ刺し。
いつの間にか、カウンター席の名士二人連れは居なくなって
次に座ったのは、年配の女性ひとり。
ゆったりと席に座り、お酒を飲みながら、カウンター向こうの板前さんに注文する・・というか話しかけている


「お刺身ね。光り物はダメだからね」

定連さんだ・・手馴れた様子・・なんか、カッコいい・・

カウンター席はドラマの舞台・・・だから好き。
牛蒡サラダのカリカリ感と、
独特の風味を舌で楽しみながら

お酒もすすむ・・
この器・・

見れば見るほど

使えば使うほど

美しいわ・・

頭がいいわ・
若い板前さんは
真面目にキッチリ仕事をしている。

こうして板前さんの手元を
見る事ができるのも
カウンターの特典ね。
きょう、活躍してくれた板前さん。

HPに載せることを許可してくださったので・・・

今頃になって載せたから、待ちくたびれちゃったかな


そうそう、以前いた板前さん(店長さん)は

きょうはお休みなのですって。

じゃ、オーナーさんは?上田のお店のほうかな?

と思ったら

このビルの一階に新しく開いたファーストフード店(?)

にいるとか。
そんなお店を開いたんだ・・

じゃ、オーナーの顔を見がてら

そっちのお店にも寄ってみようか。

ごちそう様でした。
席をたって、ダンさんが支払いを済ませる間
カミさんは店の外に出て
ガラスの向こうの、今楽しんだばかりの店内を写す。
     掛け茶屋  もなむす
では、ちょっとだけ、板前さんが行っていたお店に寄ってみるか。
一階だと言っていたね。

たしか「もなむす」とか言っていたよね。

「もなむす」・・「もなむす」・・・


「掛け茶屋もなむす」

ここだね。奥に「膳」のオーナーの顔が見えた
目があってお辞儀をする。

自分たちのこと、わかってるかな?

「膳」のオーナーに会ったのは 二人ともあの日だけ。


でも・・

「いらっしゃい。 HPに書いてくれてありがとうございます」と。

あ、判ってくれていたんだ。
ちょっと顔を出すだけのはずが
薦められるままに・・また飲んでしまった。

おいしい・・

そして、いただいた

「もなむす」

もなむす・・ってね。

「もなかのおむすび」のことなんだって。

ナイス・ネーミング。

コシヒカリの御飯に勿論、具が入って
もなかの皮は
もち米粉を使っているので
フックラ、サクサク。

新鮮な衝撃


         「これ、いけるよ」


「もなむすプロジェクト」なるものを立ち上げて
「日本の食文化」を見直そう!っていう
提案をしているオーナー。



「お味噌汁も是非飲んでみて」
と、オーナー。

出てきたのがこれ

ん?

澄まし汁??
違う・・

俵状のもなかに入っている味噌を
こうして溶いて、
「新鮮な、出来立てのお味噌汁」

を作るというわけ。


おもしろ〜〜い。

そして美味しい。

もなかが
極上の「焼き麩」のような食感。


「これ、いけるよ」
「これも食べてみて。」
もなむすの具を出してくれた。

「いかうに」と・・
えっと・・なんっだっけ?忘れた、ごめん。

だけど、これだけでも
お酒がもう一本欲しくなるくらい
白い熱々御飯が欲しくなっちゃうくらい

ウマかった・・
オーナーは
初めてお会いしたときのように
今回も「食」に対する熱い思いを面白く楽しくきかせてくれた。

そう、「食」は楽しくなきゃね。コダワリを持たなきゃね。
このオーナーと話していると、そう思う。

「もなむす」

実は、この店は仮営業で、
この日が最終仮営業の日だったと、聞かされた。

偶然とは言え、この日に立ち寄れたのはラッキーとしかいいようがない。

でも、ここ「仮」でなく続けて欲しいよね。

オーナーも、それらしいことを言っているし・・

あの日のあと、どうなったかな・・

「もなむす」の公式サイトを見つつ、また訪ねて見なくては・・
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もなむす