三河屋洋傘店(世界でたったひとつの・・) 

 突然ですが・・

上の一枚の写真は、母です。

母の若い頃・・・20代の頃です。

着ている着物は、コートで隠れているけれど、私はハッキリ憶えています。

若く結婚して生活が大変だった母が、初めて買った「よそゆき」の着物です。
 
 私の手元にはモノクロ写真しかないけれど、

濃い紫色の地に銀色の大きな花の刺繍が施されて、

今思うと当時としては斬新な柄でした。

子供心に、それを着た時の母を綺麗だと思いました。


そのずっと後、生活の余裕が少し出てきてから、

母は随分たくさんの着物を買いましたが

私は、あの着物が今でも一番好きです。


母もあの着物には特別の想いがあるようでした。


その着物は

長い間、箪笥に仕舞われていたままで、随分傷みもあって


着ることはできなくなっていましたが


昨年秋、私が預かってきました。


 
 
少し、実物より明るく撮れています。

実際は・・

 
 
 
 
こんな色合いですが、考えたらパソコンによって、色合いは違って見えましたっけね。



なぜ、預かろうと想ったか・・・それは・・







母は

この3月に八十歳になりました。

「傘寿」(さんじゅ)です。






そして・・・

あの着物は

こうして蘇りました。




 
 
 
 実は・・ビタミンを読んで下さっている皆さんはお分かりかと思います。


こういう素晴らしい傘を作ってくださったのがどなたかという事・・

そう、三河屋洋傘店です。


母は、昔から傘が好きで、

雨の外出の時には、服と傘の色合いも考え持って行く人でした。

今も何本も傘を持っていて

私がたまに傘を借りようとすると、

私が着ている服を見て「これが合うんじゃない?」と選んでくれます。



その母が「傘寿」を迎えました。



前から、三河屋洋傘店さんを知っていた私達は、

是非、この傘屋さんに

母の着物で傘を作ってもらって

八十になった母にプレゼントしたいとずっと思っていました。



三河屋洋傘店さん・・今は全国的に有名になってしまって

一年半待ち、二年待ちでも注文が来るとか・・


そんな事はちっとも知らなかった私達だったのに・・

私達の思いに

「着物、一応もって来てごらん」と言ってくれた御主人


ありがとうございます



期日の約束も何もしないで

それでも、預かってもらえたことが嬉しくて。



しかも、思いもよらないくらい早く

傘が仕上がったと連絡があって


「女房が、これをやけに早く作る気になってね」と・・


ありがとうございます




仕上がった日に奥様から

「お母さんのお誕生日はいつ?」と聞かれて答えたら


「判っていたら、その日に間に合うように作ったのに」と。




・・ありがとうございます





「世界で一つしかない傘だからさ」


ご主人がそう言って、この傘の写真を撮っていた。




ありがとうございます



私にとっても、こんなに嬉しい傘は初めてです


世界でたったひとつの傘です



 
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