別所温泉 上松屋旅館

                                         2011年3月下旬泊
                                        トクーポン利用

 始めに・・

  「今日のビタミン」に、これを更新する時の正直な気持ちを書きました。
  そちらから読んでいただけたら嬉しいです。

まず書かないといけないこと。

3月11日に東日本大震災が起きた。

その惨状は、被害は、影響は
コレを書く今でも続いている。

宿に私達が宿泊したのは
それから間もない3月の最終日曜日。


震災後(これを書いている現在も)東北のみならず、どこの宿もキャンセルの嵐で
中には廃業に追い込まれた宿も・・

そんな中、キャンセルしないで果敢に(?)宿に行った私達に
「この時期にエライ!お金をちゃんと廻して(使って)ください」って激励も(^^ゞ

ありがとうございます!

だけど・・だけど
実は「復興のためにお金を使ってきます!」って大きな声で威張れる宿泊とはちょっと違う。

実は・・今回の宿
巷で噂の「トクーポン」を利用した宿泊なので
一泊二食付きで実質6000円と脅威の価格。

(トクーポンについてはこちら

なんだか申し訳ない気もするけど,
震災前に予約をしていたものだから仕方ない・・

キャンセルよりいいよね!行きます!


「ダンカミ、初めてのトクーポン利用の巻」

副題「ダンカミ、震災直後に温泉宿に宿泊して・・の巻」

宿のすぐ傍にある「北向観音」

初詣には毎年来ているし、普段の休日でも別所温泉にドライブに来てお参りすることがある。


正月の混雑は、言うに及ばず、それ以外の日でも別所温泉には観光客が多い。

でも・・今日の参道は・・


日曜の午後の参道・・


両側のお店は勿論営業している。

石畳も石段も、殆ど遮るものも無く撮れる。
参道沿いの結構有名な厄除け饅頭の店。

この店の「自家製厄除け饅頭」は、一度に作る量が限られているので

売り切れや次回の蒸し上がりまで長く待たされるため

今まで買えたことがなかった。


今日は、店を覗いたら

「自家製厄除け饅頭あります。バラ売りもします」

手書きで書かれた張り紙が・・



一箱買い求める。
賞味期限2日間のレア物。すご〜くおいしい。
機会があったら、温泉饅頭ファンなら是非買ってみて欲しい。
北向観音の絵馬には
様々な願い事が書かれてあったけれど
真新しい札には
北国への想いが書かれたものもあり・・

それぞれがそれぞれの思いで祈っている。


私達も、きょうは「そのため」だけに祈った。

別所温泉 上松屋旅館

別所温泉の中央にある本館新館合わせて32室の宿。
(32室もあったんだ・・と後から調べて意外)


駐車場は少し離れた場所(と言っても歩いても5分程)にあるけれど
宿の前に停めれば、スタッフが駐車場まで移動してくれます。

車を降りると
すぐに黒いスーツの男女二人のスタッフが飛んできて
一人は車を移動
一人は館内へ案内してくれました。

黒いスーツが「ホテル」をイメージして
「上松屋旅館」という名前のイメージからすると意外な感じがしたっけ。
実は、この宿はチェックインが13時で
チェックアウトが11時
という22時間滞在型になっています。

ただし、宿の温泉は、3時から翌日10時までで
その間は清掃と源泉の入れ替え時間になっているので

早めにチェックインして宿の温泉にゆっくり・・というわけにはいきません。
そうではなくて、

早めにチェックインして荷物と車を置いてから別所温泉を散策する

という過ごし方をするのがいいんじゃないかと思います。


この宿の周辺は
北向観音はじめ、五重の塔や立ち寄りの温泉など
幾らでも散策湯巡りできますから。

フロントで受付を済ませると
ロビーのカウンターで
ウェルカム菓子とお抹茶をいただけます。
お抹茶も黒スーツの女性スタッフが点ててくれます。
「お好きな浴衣を選んでください」とスタッフに促されましたが

これも普通に泊まると500円なのだけれど、トクーポンの特典とか。


基本的には
浴衣は宿の名前の入った寝巻き兼用でいいというのが
私の持論だけれど、今回は折角の「特典」だもの。
遠慮なく楽しんで選びました。

帯も寝巻き用細帯ではなくて半幅帯が選べたので、尚更嬉しかったな。
部屋は本館6階の突き当たりの607号室。
「泰阜」(やすおか)と読みます。

これは長野県の泰阜村のこと。

この絵は長野県の中の泰阜村の場所でしょう。ユニーク。
6階の他の部屋も喬木(たかぎ)村や根羽(ねば)村など
長野の地名が並びます。
部屋は10畳の和室。コタツがあって窓も大きく充分な広さ。
←は、翌日の朝、部屋から入り口に向かって撮ったもの。

実は部屋をマトモに写した画像が無いのです(^^ゞ


考えてみると、お付き菓子などお決まりのショットが
殆どありません。

今回はHPに書かないかも・・という気持ちが少しあったからかも。

普段、なんだかんだ言っても
やはりHPを意識してシャッターを押していたんだなと
嫌でも思い知らされた今回の旅。
そのくせ、トイレの画像がなぜかあって(笑)

6000円弱の宿泊料で

部屋にトイレとバスまで付いて
洗面所もユニットバスの中じゃなくて別にあって・・申し分ありません。

部屋は多少年季が入ってるけれど、畳は取り換えて新しいし
あとは・・壁紙が少々傷んでるので張り替えたら見違えます、きっと。

でも、そんなこと問題にならないくらいの驚きのコスパでしょう。
設備だけじゃなく
これから紹介する諸々の内容を考えても。
部屋に「村の小箱」という木箱があったので開けてみたら
この部屋に泊まった人たちの感想記録でした。


意外だったのは「ひとり旅」の人のなんと多かったこと。

この宿は一人旅の人も積極的に受け入れているようです。

一人泊には充分な広さの部屋で、しかも、実は部屋食

きっと一人旅にとっても、さぞ居心地のいい宿だと思うし
感想記からもそれが感じられました。
一休みした後、折角選んだ浴衣を着てみることにしました。

案の定、普通の着物式。
選んだときに帯の傍に腰紐もあったので多分そうかと。
「おはしょり」(着丈調節)をして着ます。

和服を着たことが無い若い人は戸惑うかもしれません。


半幅帯も結べない人はどうするんだろう・・と正直思いましたが。

部屋には普通の浴衣や紐も用意されているから大丈夫。

お風呂に行くときは普通の浴衣の方が楽かもね。
そのお風呂に、3時になるのを待って早速入ってきました。



温泉に行く途中に「大広間」があるのだけれど

そこに「〇〇小学校同窓会様」と書かれた札が合って

私達は思わず顔を見合わせてしまいました。


「団体さんが入ってるんだ・・」

いえいえ
決して団体さんと運悪く(?)かちあった事への困惑ではないのです。

二人で、どちらともなく
ホッとして頷いた・・と記憶しています。

脱衣場・・撮れたのはここまで。
団体さんのせいにするわけではないけれど
カメラ係のダンさんは、温泉の画像を一枚も撮れず(^^ゞ


いつ行っても誰かと一緒になったようです。
源泉掛け流し、飲用可の極上温泉(内湯+露天風呂)を
画像に残せなかったのは残念といえば残念だけど
ここでも、今回は不思議な嬉しさが。

いつ入っても誰もいない「貸切」はラッキーなものだけれど
今回は宿で他の「宿泊客」と会うのは、なんだかホッとしました。

私が入ったときも、
地元だけれど家族で宿泊したという人と話ができました。

話題はやはり大震災の事。
「こうして昼間から温泉に入れることがどんなに贅沢なことか・・」と。

本当にそう・・。
温泉も、湯上りのビールも

当たり前のように楽しんでいるけれど


とんでもなく幸せな事です。






そして夕食。

部屋食。

こたつでゆっくりいただきました。

お品書きがあったので、こんな食事でしたと紹介できます。

先付け

鶯豆腐・押し寿司・みどり大根など

うぐいす豆腐

お造り 信州サーモン・海老

煮物 若筍煮 焼き筍 若布

お凌ぎ  信州蕎麦
(予約時にお願いしなかったので二人前出ました。
今回は満腹でダンさんの分は食べられませんでした)

蒸し物 桜饅頭 薄銀餡

焼き物 南目鯛蕗みそ焼き

信州サーモン押し寿司(特注・一人前)

温物  有頭海老陶板蒸し焼き・野菜 

酢の物 白身魚南蛮漬け

ご飯(塩田産こしひかり)
味噌汁(信州みそ) 香の物

アップルスノー、フルーツ
お酒を飲んでいたので、ご飯を持ってきてくれるタイミングも考えてくれて。
満足の食事となりました。

今回の宿泊料は破格なので当然の抜群のコスパだけれど
それを抜きに考えても、充分満足の料理かと思います。

特注のサーモンの押し寿司は、これで一人前(画像)。
1100円(トクーポン特典。通常は1500円)。リーズナブルだけど美味しかったです。
他の特注料理も特典で割引になるようでした。


でも、今回は食事への具体的な感想より何より
お酒を飲みながら、こうして二人で過ごせることが、とても貴重な事に思えて・・


ずっとそんな話をしていた夜でした。




食事の後、お風呂に入りに行こうとして
大広間の傍を通った時
広間から宴会の・・カラオケでしょう。元気な歌声が響いてきました。
「美しい十代」・・当時10代だったろう方達の同窓会のようでした。

二人で思わず笑顔になりました。



宿泊先で
カラオケの声が聞こえて、笑顔になるなんて、普段では考えられない二人です。


でも、その時は
元気な歌声がやたらに嬉しく感じたのが・・不思議です。

翌朝はロビーでモーニングコーヒーを淹れてくれます。

これも実は特典サービス。通常は有料です。
なんか・・申し訳ないけど嬉しい。
朝食は大広間でいただきます。
7時半・8時・8時半から選べますが、うちは今回は当然7時半。

朝食後、すぐにチェックアウトして帰宅するのですから。

朝食としては充分な量と品です
ズラリと並んだ
朝食の用意されたお膳。


「イッパイあるね・・」

なんか、やっぱり無性に嬉しい。
チェックアウトの時も、黒いスーツの若いスタッフ、男女3人が外まで見送りに出てくれた。

外は3月下旬とはいえ、きょうは冷たい風が吹いている。

思わず「寒いから中へ入ってください」と私が恐縮するほど。


同窓会のお客がいて、賑やかで安心したと言ったら
それでも
震災の後、キャンセルが相次いでいるそうだ。

「来てくださって本当にありがとうございます」と、

絶対に本心だろう口調で言われた。



そうだよね・・

私達は、とても安く泊まらせてもらって申し訳ないような気もしていたけれど

今は
「お客が来る」ってことが大事なんだ。

温泉街に
「観光客が歩いている」ってことが大事なんだ。

宿やお店の人が
「いらっしゃいませ」「ありがとうございました」って言える事が大事なんだ。

そこから活力が生まれる。
そこから踏ん張りがきく。



「頑張ってください」と・・
言うつもりの無かった台詞が思わず出てしまった。
にこやかに手を振られて
別所温泉をあとにする。


「行って良かったね」どちらともなく口に出る。
格安クーポンで、

ご近所温泉にひょこっと行って泊まって

翌日は早めに出て会社に行く。

こんな軽い乗りのはずだった温泉

記事にするかどうかもわからないと思っていた温泉


それが思わぬ「特別な時期の宿泊」になってしまった。
行って良かった。何度も思う。


さて、温泉の余韻に浸る間もなく、家はもうすぐそこ。

時間は・・まだ9時過ぎだ。


家について
一息したら、ダンさんは会社。私はジム。

それぞれの生活に帰って

一生懸命「日常」を頑張ろう。
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