法師温泉 長寿館
14年4月中旬
二人一泊2食13000円〜
(私達は秘湯キャンペーンで8500円)
国鉄時代のフルムーン旅行のCMで上原謙と高峰三枝子が一緒にお風呂にはいった宿。
といえば、ある程度の年代の人なら、ああ、あの・・と思い浮かぶかもしれない。
確かに長寿館は、あのCMですっかり有名になり、もはや秘湯では無くなった感もあるとか。
また、人気ゆえに日帰りの客も後を絶たず、中にはあまりの混雑に入浴を断念した人や
入れてもイモ荒い状態だった、などと耳にしたこともある。
混浴の内湯にイモ洗い状態・・想像するだけで、ご免こうむりたい。

でも、私達にとって、それでも此処は外せない、いつかは行きたかった宿のひとつ。

今回ちょっとした機会に秘湯キャンペーンを知る事になり、早速申し込んでみると、長寿館OK。
思いがけず、早々と念願の法師温泉宿泊が叶った。
今回の目的は内湯の法師の湯、それだけ。
あとはすべてノー・プロブレム
そんなつもりで行ったのだが・・
先に書いてしまおう。
もう、良かったあ!ホントに良かった。
お風呂は勿論、館内、部屋、食事
部屋付きの人を始め、従業員の人・・
みな満足。
またきっと訪れたいと思った。

ちょっと長くなりそうなので、時間のある時か
小分けに読んでくれるよう、お奨めします。
(チェックイン)
いつもより早く2時ごろ到着。
1時間も早いのに、なぜか駐車場に車が何台もいる。
人がいて、今来たばかり・・という雰囲気。        
日帰り入浴時刻は過ぎている。

なんだ?なんだ?大阪、横浜・・県外ナンバーばかり。
それもベンツなどの大型の車がほとんど。
車から降りてくるのはほとんど熟年カップル。
当たり前のように館内に入って行く。
チェックインは3時。ちょっと早いんじゃないの?
顔を見合わせてグズグズしてたら
従業員のお兄さんが、「どうぞ〜」と声をかけてくれた。
ああ、いいんだ・・急いで館内へ。
まだ、出迎えの用意ができてない感じだったが、
みんなイイ感じに声をかけてくれて、なんだか嬉しい。
“いらっしゃいませぇ!お天気が良くてよかったですねえ”

数分して、従業員の女性があたふたと駆け寄ってきて
部屋に案内してくれた。
お風呂やトイレや非常口の説明をするがたどたどしい。
(部屋)
部屋は本館の16号。
本館は築100年以上の年季が入った建物。
玄関もこの棟。
入り口はドアではない。引き戸
それも上半分は丈夫そうな障子紙。
長屋の玄関ってこんな感じ?鍵はある。
半畳より少し広めの踏み込み。
6畳の和室,畳は替えたばかりらしい。
テラス?っていうのかな。椅子の置いてある板張りが少し。
そこに、冷蔵庫と小さい洗面台がある。
部屋には床の間兼用のTVを置いた飾り棚があるだけ。
あと、小さな鏡台がひとつ、全身は写らない。
そうそう、トイレは無い。共同。

廊下。左側が部屋
トイレが無いとわかった時思わず、ニヤッとしてしまった。

実は友人夫婦が、明日から別の旅館に泊まりに行くのだが
予約した後でトイレが無いとわかり、一悶着。
結局、トイレ付き部屋に泊まる事で落ち着いたが
その一件で、カミさんとその奥さんが
「最低限、部屋にトイレが無きゃ泊まれないわよねえ、
 冗談じゃあないわよ。」
などと、イキマいていたのを思い出したのだ。
しかし、カミさんの機嫌は至極いい。そんな事、言ったかしら?・・という顔。
部屋を見渡して、へ〜っと感心している。
普通、6畳だけのトイレ無しだったら、なんだか侘しくなるでしょう。
(今までの中の最狭記録。ビジネスホテルだって狭いけどB・T付きだからね。)

ところが此処は全然。
なんて言ったらいいんだろう。部屋全体が持つ雰囲気・・
歴史の重み、本物の迫力・・っていうのかなあ。
こちらに迫るものがあって、納得させられてしまう。
ガラス戸の錠前。天井の太い梁。古いけど本物の木の座卓。小さいけど造りのイイ鏡台。
昔の旅籠ってこんなだったかもなあ・・
隣の部屋の咳払いや、廊下をパタパタ歩く音さえ・・なぜか耳障りにならない。
なんだかタイムスリップしたような錯覚。
部屋だけじゃない。館内、どこもかしこもそんな感じ。
多分、ランクとしては一番下のこの部屋。
妙に満足してしまってはいけないのかな。

泊まった部屋を廊下の窓から撮影



部屋の窓から下を見る。
正面は新館の客室
下の小川に鴨が泳いでいた

廊下の窓から正面を撮影
右手は宿泊した部屋
正面の湯小屋は法師の湯
(風呂-法師の湯)
そうそう、話をもとに戻そう。
部屋に案内してくれた仲居さんが、すまなそうに 私、今日が初日なんです”と・・。
え?じゃあ、もしかして私達が最初のお客?
なんだか、却って嬉しくなった。なんでも初めてっていうのはいいもんだ。
食事の配膳の時も、彼女、一品持って来るのを忘れたが
一所懸命、客に尽くそうとい心意気が感じられたのでぜんぜんOK。
部屋で落ち着くまもなく、お風呂に行こうということに。
なにせ、それが目的。
早くに行って、できたら独占状態で入りたい。
早くにチェックインした事だし。
ところが、廊下に出ると何組もの夫婦とすれ違う。
まだ2時過ぎなのに・・。
それに、平日だというのに この繁盛ぶりはなんだ?

新しくできた 時間制の男女別内湯&露天風呂は
3時まで清掃タイム。
お目当ての法師の湯は24時間OK。
男女別の脱衣場の傍に何足かスリッパがある。もう?
すると、御年配の夫婦が先に入っていかれたので
付いて行く形で一緒に入浴。

法師の湯
男女別の脱衣所ができたので、随分気分的に助かる。
おお!やっぱり、素晴らしい!法師の湯。
レトロ、ノスタルジック、クラシックモダン・・
なんと表したら良いか、表現力の乏しさが歯がゆい。
風呂は露天がいい、景色を見ながらでなくちゃ
という、持論なんて一変にどこかへ飛んでしまった!

カミさん、少しグズグズ・・早く湯船に入りな。
ダンさんに目で言われて、急いではいる。
お風呂は内湯か露天かなんて問題じゃあなかった。
どれだけ心地良いか、どれだけ心が開放されるか・・
ただ、それだけ。
シン・・として窓から少し差し込む陽光の中で
透明の湯に身を沈める。
すぐあとから男性グループも入ってきたが
みな一様に息をのみ、そのあと静かに
この独特の雰囲気を味わっているようだ。

湯船は広めの6畳ほどが4つ、田の字に並び
それぞれが中央に丸太(木枕)を配している。
そのため、それぞれの湯船に一組がはいる
という感じになる上、薄暗さも幸いして
始めの緊張感は次第にとけていく。  

法師の湯 夜
夜中にも入ったが、こんな自然体で入れたのは、もしかしたら初めてかもしれない。
これも、この法師の湯のなせるワザか・・
遠い昔、文人達がこの湯船に入り、この木枕に身を沿えていたと思うと不思議な感慨に満ちてくる。
(風呂-玉城の湯)
昨年できたという玉城の湯。
日帰り客は入れない、宿泊者専用のお風呂。
これも総ヒノキの大きな内風呂と
そこから続く庭園風露天風呂。
ここも、内湯がすばらしく
木の香と、ビックリするくらい響く湯桶の音。
カランは木製の取っ手、行灯の薄明かり・・
なかなか趣向を凝らしてある。
ここはここで開放感があって良い。
法師温泉の良さはそのまま受け継いでいる。
法師の湯の持つ威厳には敵わないが
ここには品の良い明るさがある。
(食事)
食事は朝夕とも部屋食。
食事に関しても、いい意味での大誤算。
私設HPなどで、良い-悪い、美味しい−美味しくないと
意見が分かれていたので
ここは期待しないで後者のつもりでいようと思った。
キャンペーンで格安で来ているのだから、
贅沢を言うつもりはサラサラない。

ところが、これが美味しかった。
私達の口にあった、という方が正しいのかな。
鮎の塩焼きや、菜の花のおひたし、鯉のあらいなど
季節と御当地を感じさせるものばかり。
ご飯が私達には少し柔らかかったが、まあ、良しとしよう。
朝は、温泉卵、湯豆腐など。

人の評価はマチマチだとつくづく感じる。
私達が喜んでいただいているのと同じメニューの食事を
もしかしたら美味しくないと思う人もいるのだ。
また、私達だって、
次回訪れた時、同じ感想かどうかもわからないのだ。

まあ、御託はともかく、おいしかった!
新米の仲居さんが、汗をかいて頑張る。
慣れましたか?たずねると
冷や汗ばかりです。お客様に御迷惑ばかりおかけして・・と
困ったような笑顔で答える。
でも、一所懸命さが素敵ですよ。そう思う。





(宿の人)
部屋付きの人ばかりではない。
布団を敷いてくれたお兄さん。たたみにきてくれたおじさん。
玄関で見送ってくれた番頭さん(ご主人?)など。
皆さん、ひと言、親しげに声をかけてくれる。

たとえば、朝、小雨模様なので残念、と思っていたら
布団をたたみに来てくれたおじさんが
“小雨が降る朝は、新緑がますます、きれいでいいですよお”って。
そう言われると、さっきまでの残念な気持ちがどっかに吹っ飛んで
なんだか嬉しくなる・・そんなもんですよね。
帰り際、折角来たのだから、玄関先で私服で撮ろうという事に。
来たときは慌てて入ったので、撮り忘れた。
これから宿へ入る、という設定で一枚・・と思ったら
あれ〜っ?
どうしたの?
デジカメがカード・フル・・
つまり、全部使っちゃったの〜?100枚!?
あんまり気分がいいんで
後のことも考えずに撮りまくって・・
なんだかおかしくておかしくて、
二人で顔を見合わせては、何度も笑ってしまった。

どちらも、お前が撮りすぎたんだろうと
相手を指差しながら車に向かった。

玉城の湯を裏庭からみる
カミさんのオマケ話
トップへ 長寿館
群馬県利根郡新治村永井650
0278-66-0005