新平湯温泉 静岳館  
                18年8月下旬
一泊二食9500円(税込み)



8月もあと10日足らずになった、ある日のこと
温泉の話をしていた二人だったが
急に肩の辺りがだるいような、胸が微妙に圧されるような
独特の感覚に襲われた・・・

しまった・・「湯切れ病」だ。

8月はドタバタと忙しかったので
立ち寄りの温泉さえ行かれなかったのと
温泉の話を盛んにして「気持ちいい記憶」を刺激したのが原因と思われた。


こうなったら、重篤にならないうちに温泉に入るしかない。
ただ、仕事の休みも取れないし、お金もないから
今週末、立ち寄りで何処かに行こうよ、ということに。

お気に入りフォルダに入った「立ち寄りで行きたい所」を探していたら
この「静岳館」が目に入った。
奥飛騨温泉郷の新平湯にある宿。
混浴露天風呂があるというので、
奥飛騨に行く度に、寄りたいと思いながら機を逃していた。

「ね、ここ、空き室があるよ。それに1万円もしないよ
カミさんがネットを見ながら言う。

え?8月で休前日なのに?
でもこんな直前に空いてるっていうのもなんかなあ・
それにこの宿は「宿泊したい宿」おリストには入ってないんだろ?



「そうだけど、温泉にゆっくり入れるっていう事だけ考えたら?
それに・・ほら、立ち寄りは午後4時からって、書いてあるよ。」

パソコンから目を離さずにカミさんが言う。

4時からかア・・それじゃ立ち寄りは無理だな。
考えたら、他の宿もこの時期の週末だから、
立ち寄り客が多くてゆっくりできないかもな。
泊まってゆっくり出来たらそのほうがいいか・・
一万円しないって?
空いてるんだよねえ・・まだ大丈夫かな?


ダンさんはそう言うとおもむろに電話機に手を伸ばした。

「カミさん、電話番号は?」

夏休み最後の週末だからか。
奥飛騨はどこもいままでになかったくらい車で溢れていた。
宿に到着する前に立ち寄りで入ろうと目論んでいた所も
駐車場に溢れる車を見ただけで断念。
貸切で入れる露天風呂を持つ宿にも当たってみたが
清掃中だったり、営業してなかったり・・どこも空振り。
宿泊するところを決めておいて正解だったかも。

幸い天気が良かったのでドライブをしながらチェックインの時間を待つ。
3時。
ご主人だろうか?まだ若い、
でも落ち着きのある好青年が出迎えてくれた。
左画像では並べられたスリッパは数足だけれど
入館した時にはもっと並べられていて内心意外な気がした。
数日前の予約でも取れた宿なので空いているかと思いきや
7室のうち、6室が埋まっていたのだった。
女将さんか?さっきの好青年のお母さん?
(勝手に想定、スイマセン)
にこやかで感じのとてもいい女性が受付と案内をしてくれた。
客室は全て二階。
階段も廊下もゆとりのある造りになっている。
画像手前の一部ガラス張りの引き戸は客室ドア。
私達が泊まった部屋もこのタイプだった。
奥の空いているドアも客室だけど
二つ並んでる茶色のドアはトイレです。
そう、ここは部屋にトイレは無い
洗面台は7部屋のうち4部屋に付いている。
二人が泊まった部屋にも付いてることは予約の時に確認済み。

この頃、ダンカミは鷹揚(?)かつ許容範囲が広がって
トイレ付きでなくても良くなったけど、
洗面台はできたら欲しいよね。
ま、それさえ、この頃は絶対条件じゃなくなったけどね。
案内された部屋は「乗鞍」という角部屋。
八畳の和室に
テーブルと椅子の置かれた板の間部分という
ごくシンプルな作り。
板の間の隅に小さな洗面台が置かれている。
アメニティは、タオル、歯ブラシ、浴衣という
最小限のものしかないけど
基本的にはこれだけあれば充分でしょ。

大判タオルが置いてなかったが、
これはフロントで無料貸し出し。

お茶の用意も御着き菓子もあったけど
女将さんが別に冷茶を持ってきてくれた、嬉しい。
女将さんに「奥飛騨が大好きなんです」と言ったら
とっても嬉しそうに「ありがとうございます」と。
そして「昨日まで裏の神社でお祭りだったんですよ」と
観てもらえなかったことを残念そうに
ひとしきりお祭りの催し物などの話をしてくれた。

そういえば窓から眺めると
鳥居らしきものが見える。あとで散歩でもしてみようね。
浴衣の柄が男女で違う。
珍しいよね。浴衣や丹前の色違いはあったけど
まるっきり違う柄は初めて。
大きさもちゃんと合っていた。「特大」と「中」サイズ。
時々リーズナブルな宿で経験するような
ツンツルテンなんて事も無し。
さっそく、お風呂お風呂。
あ、その前に忘れないうちに記念撮影ね。
カミさん、そこに座って。
テーブルの上に
ミニサイズの三脚を嬉しそうに立てるダンさん。
じゃ、行くよ。
は〜い・・・・「カシャッ」
お風呂は男女別の内湯と家族風呂。
そしてそのどれからも直接行かれる混浴の露天風呂。
何処も、チェックインから朝9時まで入れる。何処も掛け流し。
フロントではバスタオルだけでなく
「湯浴み着」も貸してくれるので
慣れてない女性でも安心して入れる。

二人の目当ては、当然露天風呂。
まだ誰も入っていないうちにゆっくり入浴して気兼ねなく撮影したい
フロントで「バスタオルを貸してください」と声を掛けると
若女将さん(?)らしき方が出てきて
「バスタオルだけでいいですか?」「はい」

あ、蛇足かもしれないけど、バスタオルも湯浴み着も無料です。
お互いの脱衣場をチラッと見て
「誰も入ってないよ♪じゃ、露天風呂で!」と分かれる。

ダンさんはさっと脱いで内湯に入る。
想像していたよりもゆったり空間の内湯が目に入る。
レトロな雰囲気の浴室内。悪くないな〜
誰もいないのでここでポチャンと湯に浸かりたい衝動に駆られたが
そうもしていられない。
カミさんより早く露天風呂に行って、待っててあげなければ。
考えたら、誰もいないのだから
早く行って待っている理由もないのだけれど
なんとなく習慣になってしまってるな・・と苦笑。

ドアを開けて湯船に向かう。

あれ、ホースが石と石の間に
上手に入り込んで湯船まで続いている。

ちょっとした工夫だけど、これはいいアイデアかも。
ホースが無造作に出ていたって、
気にもならない二人だけれど、
宿の人の気遣いが感じられることは、些細な事も気持ち良い。
石畳のすぐ向こうに庭園風の露天風呂が。
あ、ここも思ったよりも大きな湯船だ。
温泉街の真ん中の宿、もっとコジンマリしているかと。

流石に山奥にあるわけではないので
木々に覆われているというものの、
隣のホテル(今は営業してない?)や
遠くだけれど隣家の窓が
人によっては気になるかも。
でも、こういう場所での混浴露天だからね。
カミさんもそういう環境には慣れたみたいだから大丈夫だろう・・と
ダンさんはカミさんを待って脱衣場のほうを見る。
左が今、ダンさんが出てきた男性用内湯の窓とドア。
その奥には家族内湯からのドアも並んでいる。
右画像は女性用の内湯とドア。
露天風呂からの丸見え防止の塀が。

女性用の内湯も男性内湯とほぼ同型。
カミさんが内湯ドアからちょっと覗いて
ダンさんしか居ないのを確かめて出てきた。
あ、こら〜!まだ撮るな〜(ーー;)
足を湯につけてみたら・・快温!
快温って何度?・・
ゆっくり楽しんで入れる温度・・それが快温です。

ドアを出てすぐに湯船に入れるので
女性には嬉しい。
ただ、湯がとても綺麗な透明なので
慣れない人は落ち着かないかも・・
そういう人は湯浴み着を活用してみては?
入れ違いに入って来たご夫婦の奥さんも
しっかり着ていた。
あまり見ると失礼だからチラッとだけだけれど
緑色で、透けることもない安心素材だったような。
カミさんは貸切状態で入れた幸運に至極ご満悦。
来る途中で、無理して混雑した露天風呂に入ってこなくて良かったと思う。
立ち寄りでなく泊まりで来て良かったと思う。
ノンビリ涼んでいたら
露天風呂の向こうの狭い畑で頬かむりしたお婆ちゃんが
腰を曲げて何かを採っているのが見えた。
この宿のお婆ちゃんかな。
のどかな風景に溶け込んでいるその後姿がなかなかいい。
「何を採っているんですか〜?」っと声を掛けたいけれど、押さえた。
こちらを見ないように背中を向けているおばあちゃんの気遣いを感じたから。

と、男性用内湯のドアが開いて露天風呂に顔を出した人がひとり。
「どうぞ〜」ダンさんが声を掛ける。
遠慮したのか、内湯に先に入るのか、出てこない。

「そろそろ、出ようか」
カミさんが内湯に戻ると
緑色の湯浴み着を着たご婦人が。多分、さっきの男性の奥さんだ。
「今なら誰もいませんよ〜」
声を掛けて脱衣場に。
隣の内湯からも同じ事を言っているダンさんの声が聞こえた。
部屋に帰るときに家族風呂も覗いてみた。
湯船は小さいけれど空間は充分。
それに窓が大きいので気持ち良さそう。
今回は珍しく家族風呂には入らなかった。
その分、何度も露天風呂へ・・
部屋に戻ってからも
食事までダイブ時間があったので
近くを散策しようと外に出た。

宿の前で写真、撮っておこう・・とダンさん
え?帰る時でいいんじゃない?

だけど、時々、忘れて帰っちゃうからさ。
玄関前の一枚はお決まりなんだから。

そういうもんですかねえ・・では一枚。「カシャッ」
宿を出てすぐのところに「足湯喫茶」なるものが。
この看板の向こうに道路に面した横長の足湯がある。
みやげ物屋さんの前にあるけれど
何か買わなければ入れないというのでもなさそうだ。

二人は今ゆっくり温泉に入って来たばかりだったので
入らなかったけれど
奥飛騨には足湯が多いね。
足湯巡りなんていうのも、手軽でいいかも。
別のお土産屋さんの前にはこんなものが。
冷えてておいしそう!
買ってパクつきたい所だけど
食事前なので我慢我慢。
宿の女将さんが言っていた
「昨日までやっていたお祭り」の看板が
そのままになっている。
「会場」とは宿のすぐ裏の神社境内。
参道で、お互いを撮りっこしながら散歩するダンさんとカミさん
カミさんが持っているカメラは、ダンさんからお誕生日プレゼント。
境内に入ると、昨日まで祭りだった、様々な「足跡」が残っていた。
夜店もいろいろ出ていたんだな。お酒やビールなどもあったみたい。
浴衣に下駄の観光客や地元の人で毎日賑わったのだろうか。
本殿の隣には舞台も設けられていた。
母と子が散歩していて、幼な子が舞台に上がっていった。
たった一人の観客である母親がパチパチと拍手する。
その音が境内中に気持ちよく響いた。
あの子もいつか、このお祭りに参加して、あの舞台に立つのかな。
宿への帰り道に撮ったこの店は「奈賀瀬」という食事処。
道路を挟んで宿の向かいにある。
今回、日帰りで奥飛騨に来たら、昼食はここが第一候補だった。
「てっちゃん」とかいう鍋料理を一度食べてみたかったのだけれど・・
宿泊する時の昼食は夕食に差しさわりのない
簡単なもので済ますのが二人の習慣になっていたので
今回の「奈賀瀬体験」は断念。今度こそ・・の思いで一枚「カシャッ」
さて、奈賀瀬の話なんぞしていたら、お腹が空いてきたぞ。
宿の戻って夕食を待とうか。
お風呂も館内も宿の人も、想像以上に良かっただけに
食事ももしかしたら楽しみかもしれない。

表通りから路地を入ると「静岳館」の駐車場と建物が。
チェックインの時には何もなかった車が、今は何台か泊まっていた。

宿への路地、こうして見ると狭いね。
                                  続く
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〒506-1493 高山市奥飛騨温泉郷一重ケ根681