茶房 パニ 
            ( 秋・・・サプライズの番外編 

                パニの以前の訪問記はここをクリック!
                
「パニのモンブラン」を食べに行かないと!
と、思った。

きっと、モンブランが食べたいというより
冬が来る前に、再び「パニ」を実感したかったのだろうと、思う。

週末だし、早めに行かないと、
小さな人気カフェは席がなくなってしまうかもしれない。

大急ぎで支度をして
ダンさんが車のエンジンを掛けてカミさんを待ったが・・
なかなか玄関から出てこない。

カミさんはカメラが見つからないと大騒ぎで探していた。

結局その場では見つからず(後日、無事に発見したが)

あきらめて家を出たが、すでに30分以上のロス。

こりゃ、席があるかは微妙だな・・
クネクネと細い道を、
別所温泉街を抜けて山道をゆっくり走る。

「道を知ってなきゃ、ほんと、不安になっちゃうくらいの道ねえ」と

言いながら、気持ちはもうパニに飛んでいて嬉しそうなカミさん。


だが、やっぱり出る前の30分のロスは大きかった。

舗装されていない道路脇の駐車スペースには、もうビッシリと車が・・

「こりゃ、厳しいな・・」

なんとか隅のスペースに車を停めて、とにかく店まで行ってみることにする。
駐車場の隅にある「看板」(?)

「ギャラリー土日」というのは、
パニの御主人(あの建物全てを作っちゃった方ですよ!!)
が作った陶芸作品を展示しているギャラリー。

そう、陶芸家なのです。

家だけでなく、パニの器も飾りも小物も、
全部を作ちゃったスーパー陶芸家です。

ギャラリーは、このすぐ傍にあるらしいけれど、まだ見せてもらったことはない。
きょうは土曜日だけれど「CLOSED」になっていた。






パニはやっぱり満席でした。
室内もテラスも庭も、賑やかな声で溢れている。


ダンさんがドアを開けて覗いたら
お店の奥様(?)が申し訳無さそうにしていたけれど
もとより待つのは覚悟。

ちょうどいいからこの付近を散策してみようよと
店を出た。

玄関の外でカミさんが
一人の男性と目があって、会釈された。
会釈を返しながら「パニのお客さんかな」とも思ったけれど・・。
裏のほうに道祖神はあったはず。
席が空くのを待つ間に散策してみようと
パニの裏の階段を上がる。
ここから見る山々の美しい事。
カミさんは景色も良いけれど
それよりも、裏から見た
パニに接する「佐々木さん家」(パニのオーナーのご自宅)のほうが
興味津々。

だって何から何まで、ぜ〜〜んぶ手造りなんだよ。

(カミさんの手造りへの思いの強さったらハンパじゃないのです)

と・・
視線を下げると、さっき挨拶をした男性がいる。
家の裏に積んである木材を持っている。

あれ?お客さんじゃなかったんだ。
良く見ると軍手して・・

もしかして?もしかして?
カミさん、ちょっと「どうしようかな」と躊躇したけど、どうしても我慢できない。

上の方から
「あのう〜・・・」と声を掛けた。

「もしかしたら、この家の御主人ですか?」

その男性、「はい、そうです」と答えた。

「え・・・じゃあ・・あの・・この家もパニも作った方ですか」

「ええ、そうです」


(きゃ〜〜っ!やっぱりそうだ!本人だ!!)と心の中で叫んだ。
それから得意の「素晴らしいです」を連発しながら
あれもこれも・・と話す私はどう写っただろう。

でも、この作品の全てを作ったご本人が
目の前にいる・・それだけで少し興奮していた。

佐々木さん(と言います)は
少し照れたような優しい表情で

「良かったら、まだお見せする段階じゃないけど
作りかけの作品や窯を見ますか?


と言ってくださった。

え〜〜!!
いいんですか!♪


案内されて、元来た道を行こうとすると
パニの店内から奥様がいらして
「お席が空きましたけれど・・」と。


う〜〜っ・・
すいませ〜〜ん
もう少ししたら行きます。
席順、後になっちゃってもいいです。

今は、コッチのほうに行きたいんです。


佐々木さんも
奥様に何やら合図をして
私たちを案内してくれる。


内してくれたのは
さっき「ギャラリー土日」と書いてあった場所の下の辺り。


きょうはCLOSEDとあったけれど。
そこに足を踏み入れたとき
カミさんは思わず「うわ〜っ♪」と叫ぶ。



そこはまるで夢と冒険の世界。
宝物の山で溢れていた。


枕木、廃材、間伐材、土、トタン、たくさんの製作途中の泥色の作品
煤とレンガと・・そしてそして・・素晴らしいガラクタと
勿論、次々と作品を生み出す魔法の窯と・・

ワクワクするような手造りのギャラリー


窯の前で
たくさんの作品を見ながら
いろいろなお話を伺った。

陶芸の事は勿論、廃材の入手のことや、作ってる時のこと。

それが生意気だけど心にピタッとハマって
聞いているだけで楽しくて幸せで・・
もう無性に感動して心でウルウルしていた。

展示室の中も見せていただく。
今日はお休みなのにいいのかなあ・・と思っていたけれど
佐々木さん自ら案内してくださったので遠慮なく。

佐々木さん曰く
「いろいろ作ることばかりに時間をとられて
作品を(見せられるように)整理したり片付けたりが
出来ないので、面倒だからCLOSEDにしてるんです。」




あはは・・なんかわかる〜

作る事自体が楽しいんですよね。
作ってると夢中になって
他の事はどうでもよくなっちゃうんですよね。



「それはカミさんのことだろ」と
ダンさんに突っ込まれて

あ・・・そのとおりです。

ダンさんが特に気に行ってしまった怪獣ペア
六角形だったか五角形だったか・・
とにかく四角でない多角形の、その展示場は

低めのドアから中に入ると、なんとも不思議でいいムード。

竪穴式住居なんていったら、かなり失礼?
だけど、それのかなり
「豪華且つ立派バージョン」といったら想像できるかな。

少年が主人公の物語に出てくる
森の奥に自分達で作った秘密基地のよう♪


もともと竹やぶだった場所を均(なら)してから
建てたのですって。
中の作品の数々。

どれも心が温かくなる様な優しい作品ばかり。

今、「灯り」に凝っていらっしゃるとかで
素朴でユーモアさえ感じるユニークなランプがたくさん。


「え〜〜っ・・これ、どうやって作るんですか?」
「あ!そうか〜!!、ここをね。なるほど、すごい〜」


感激感心大騒ぎのカミさんのために
わざわざ、電源を入れてくれたり、説明してくれたり。
カミさんが持っているのは、なんと「楽器」

「鳴らしてみてください」と促されて。

ツボのような形だけれど上にも穴が開いていて
そこを手の平で塞ぐように叩くと
中の空気が横の穴から飛び出て、独特の音を奏でる。

ボン!ボボン!ボン!!

おもしろ〜〜い♪



すっかり不思議世界にハマってしまった二人。
だけど、そろそろパニに行かなくちゃ。


最高に嬉しい「時」をいただいて
心からありがとう。
パニは、まだまだ混んでいたが
室内に案内されて、テーブルに並んで座る。


勿論「モンブラン」を注文して
初めての「室内」をゆっくり見回して楽しむ。
(いつもテラス席だったから)


椅子も、カウンターも照明も、時計も
みんな、あの「佐々木さん」が作ったんだものな〜
素敵だな〜・・
そのうちテラス席が空いたら
店の人が気を効かせてくれてテラス席のほうに移動させてくれた。


やっぱりテラスが最高♪
温かくなっている室内に比べて
この時期のテラスはキリッと空気が冷えていて、
それが心地よい。


それに外だと二人で遠慮なく話せるしね〜

「良かったね〜、来て良かったね〜」と
さっきまでのサプライズの時間の話題が尽きない。
そして
待望のモンブラン。

パニのシンボル、大きな栗の木から採れた
正真正銘「手作りモンブラン」

その味は、当然、言わずもがな・・でしょう

器は勿論、スーパー陶芸家「佐々木さん」の作品。
今日のパニは
思いもよらない素敵なハプニングで
本当に幸せでした。


この素敵な空間を作った人、佐々木さんは、
想像通り、
いえ、もしかして想像よりはるかに
自然体で温かく、魅力ある人でした。

ますます「パニ」を好きになりそうです。



ねえ、ダンさん
私ひとりで、パニまで運転して来られると思う?

無理無理
あの細い道はカミさんには無理!

ですよね・・

・・・・また連れてきてね、ダンさん。

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