小さなお宿  むらせ

2006年12月中旬
この大きな暖簾は
中尾高原へ上る目印
もう何度この前を通って中尾に行ったかな。
この近くに
「新穂高の湯」という公共の露天風呂があって
車でその傍を通ると、湯船が良〜く見えるので
私は助手席からいつも見ては
「あ、入ってる!女性かも!」などと言って
運転中のダンさんの雑念を誘う。
今日も覗いてみたら
いつも必ず誰か入ってるのに誰もいない!
チャ〜ンス!とばかりに
駐車場に車を置いて、
勇んで露天風呂に向かいました。

が・・
誰も入っていないはずです。
お湯の温度が低いという事で
冬季閉鎖となっていました。
露天風呂に降りる階段への通じる
門扉はシッカリ鎖で閉められて。
ああ〜・・
でも、お湯が入ってるよ・・
入りたいねえ・・
温泉には入れなかったけれど
せっかく車から降りてここまで来たのだからと
記念撮影。
今度来たときには入ろうね。
ただし、水着軍団のいるプール状態じゃない時にね。

と、いう事で気を取り直して
今日の宿「むらせ」に向かいます。
中尾高原にある「小さな宿 むらせ」は
その名前の通り、わずか4部屋の本当に小さな宿。
しかも作りも、ごくごく普通の民家なので
ウッカリすると見過ごしてしまいそうです。
玄関へのアプローチにあるこの
木の看板と、たくさんの小人や動物の置物が目印です。
宿の入り口を中から見たところ。
雪の多い地域らしく二重になっているけれど
本当に普通の玄関で、中に一歩足を踏み入れても
その作りは一般の家そのものです。

奥様がドライフラワーでリース作りをするらしい。
たくさんのリースやドライフラワーが
所狭しと飾られていた。

中から出てきたのはこの宿のご主人。
真面目そうで、どちらかといえばシャイで
滞在中、それほどお話しする機会がなかったな。
宿帳は食堂のテーブルで記帳。

玄関を入ってすぐにこの食堂のドアがあって
いわゆるフロントという部分はありません。

食堂の紹介をしたので
今回はちょっと突飛かもしれないけれど
この宿の食事を一番先に紹介しましょう。
今回、部屋、お風呂、食事の中で
一番印象に残ったのは「食事」でした。
奥様の手作りの食事はとても美味しかった。
宿賃一万円を切るのにとてもリッチな気分でいただけました。
食前酒も山菜も岩魚も飛騨牛も、みな素材を生かして
一番美味しい方法で。

特に「岩魚の桜蒸し」は絶品で
常連さんがこの逸品を目当てに訪れるというのも納得です。
朝食も奥飛騨ではよくあるメニューですが
夕食と同様、器にも凝っていて、奥様のセンスが感じられて
気持ちよく美味しくいただけました。
朝ご飯のお代わりも、温泉に来たときには「お約束」になってしまったわ。
さて、話が前後しますが
チェックインをして
二階の部屋に案内されたところまで戻ります。

その前にご主人から館内の説明を受けたのですが
客室は4部屋とも二階なのに対して
洗面所は一階の食堂の奥に二つ。
(この宿は部屋にトイレ・洗面所は無し)
二階にはトイレのみ。
一般の家だと思えば
この作りはごく普通だけどね。


二階の部屋のドアを開ける。
あ、部屋は洋間なんだね。
白い格子の出窓が見える。
典型的なペンションの作りだわ♪

と、部屋に入った・・
ん?
部屋の中にあったのはこのコタツと
クリーンヒーター

それに
金庫とイマドキ珍しいコインを入れて見るテレビ。

10畳ほどの洋間にこれだけ。

炬燵布団と座布団の柄の関係も微妙。
部屋のつくりとこの炬燵の関係も微妙。

完全な洋室にベッドが無いって、
なんとも不思議な印象。
だからなんとなく
入り口にスリッパを脱ぐことになったんだけど。


天井に近い位置の壁に何故かポスターが・・
文字の部分が折りたたまれてる。
絵画の代わり?
もしかしたら
裏の壁紙が破けているからかな?と
思ったが違った(~_~;)

で、ふとんは?
あった。
これを自分で、敷くわけね。
炬燵を端っこにずらして、さっそく敷いちゃう。
マットを一枚敷いたけれど
なんかやっぱり床に敷くのって違和感が〜。
床はパンチカーペット敷きなのだけれど
ご覧のようにカーペットの下はフローリング。
しかもまだ使ってない?綺麗。
こんなに素敵な床、どうして見せないのかな。
どうしてこの部屋の雰囲気に合わせて
ベッドを置かないのかな。
今後、ベッドを購入予定?

床に直接敷いた布団はやっぱり
固さが背中に伝わって
少々寝にくかった。
マットレスは4枚あったから
2枚ずつ重ねて敷けばよかったかもね。
備品はシンプル。
歯ブラシとタオル。
バスタオルは自前です。

作務衣と半纏。

備品は最低限でいいし、バスタオルやパジャマも
ペンションなどでは無い所も多いから
自分で用意すればいい。

でも、ひとつ
とても困ったのは
この部屋、鏡がない!
鏡は・・小さくてもなんでも
私は必要です。
リピーターや常連さんたちから
今までそういう要望がなかったのかな〜。


二階に洗面所があればまだ良いのだけれど
ここは鏡を見るには階下に行かなくてはならないので
とっても不便。
二階にある二つのトイレは
普通の家のトイレの作り。


やっぱりこの宿は
一般の家にお邪魔したという感覚で
泊まったほうが良いですね。

でも・・やっぱり部屋に鏡は欲しいなあ。
ポスターはいらないから
鏡が欲しいなあ。

私たちはバスタオルは勿論
ドライヤーや電気ポットなど
結構いろいろな道具を持ち歩くんだけれど
鏡はコンパクト以外、所持品リストに入ってないのよ。
気を取り直して温泉。

露天風呂が一つと
内湯が一つ。

どちらも貸切で
露天風呂は24時間。
内湯は11時までと、朝は5時から。
実は今回はこの温泉が目的で来たんです。
奥飛騨の温泉にしては珍しいというかアッパレというか
加水してないというのです。
この宿のHPにこんな記載がありました。

給湯方法  源泉100%掛け流し
 当館への引湯温度は約72〜83℃です
 露天.内風呂との温度差は床暖房.
 熱交換.融雪等に利用して温度調節を
 行っています。 

 
従って加温も加水もしていません



小さな宿なのにすごいと思いました。
露天風呂。
玄関を出てすぐのところにあるる脱衣場で
着替えて・・
展望はそれほどじゃないけれど
目の前に建物がないので、囲いも必要なく
ノンビリ入る事ができるのは一番の贅沢かも、
湯の温度もちょうど良かったし。
ただ、チョット気になったのは
横に見えるこの宿の客室の窓。
私達が泊まった部屋の隣になります。

いつも書いている事だけれど
混浴のお風呂が多少、他から見えても
いつでもガードをしている意識があって、
あまり気にならないのだけれど
貸切や女性風呂が他から見えそうなのは
なんとも落ち着かないものです。
ましてや、客室から見えるというのは
私的には道から見えるより落ち着かない。
こちらが相手を見えないだけ、落ち着かない。
内湯の脱衣場に行ったら・・
「当館の温泉」という、何処でも見受けられるプレートが。

見ると・・あれ〜?

「山の湧き水を うめ水として温度調節しています」と
「源泉100%の掛け流しでは入浴はできない」とも・・

なんだか複雑な思いで・・


奥飛騨の温泉は湯温が高いからうめているのは百も承知。
それでも素晴らしい温泉で、大好きで通っている。
私達は源泉とか100%とか、掛け流しに必ずしも拘らない。
気持ちよく一緒に入れるのが一番。

だけど・・
私がHPを勝手に間違った読み方、解釈をしたのかな・・

でも
内湯もとても気持ちのいいものだった。
貸切内湯にしたら贅沢。
24時間じゃないのが残念でした。


宿泊の翌日は少しだけ雪が降り始めました。
スタッドレスに替えておいてよかった。
奥飛騨もこれから本格的に雪が降るでしょう。
この次に奥飛騨に来るときには
雪見の露天風呂ができますように。

お世話になりました。

宿の前で記念撮影
本当に普通の家のようでしょう
カミさんのオマケ話

全体的にはいい宿だったと思う。
マスメディアにも紹介されているようだし
リピーターや常連さんも多いと思う。
一階の食堂や脱衣場など、ありとあらゆる所に宿泊客の御礼の葉書
絶賛の葉書、一緒に写した写真などがたくさんたくさん貼ってあった。
みんなとってもいい顔をしていた。
宿の人の人柄もご主人は真面目、奥さんは上品で気さく。
料理も本当に美味しかった。
アットホームという言葉は、この宿のためにあるんだろうね、きっと。
この宿でとっても素敵な思い出を作った人たちもたくさん居るはず。

ここは6人以上だと全館貸切になるとか。
そういえば、写真に写っている人たちはグループが多かったような。
ここは貸切で泊まったほうが、きっとより過ごしやすくなるんじゃないかな。



あとは・・そうだね・・
ふと頭に浮かぶ言葉は「相性」とか「感性」とか・・かな。
タイミングっていうのもあるかもしれない。
自分の気持ちと、宿の目指すものと・・
小さな宿であればあるほど、オーナーの個性が、感性が、宿の顔になる。
それが魅力で私は小さな宿にハマる。
感性が合うと無性に嬉しくなる。
ただし・・
それがどこかですれ違うと・・何か消化不良の感が残ってしまう。
一度消化不良になると、その後のものも、どんどん溜まって
ますます消化不良になる。
そんなことだってある。

安くて居心地のいい、コストパフォーマンスのいい宿
そんな自分達に都合の良いことを考えている私達の宿選びは
もしかしたら、とても難しいのかも。

そして、良い宿のはずなのに
自分の感性と微妙に違う宿の紹介はもっと難しい。
その宿が決して悪くないはずと思えば思うほど。


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