上林温泉    塵 表 閣

                19年2月中旬
105周年記念祭料金 @15500円(税込)
今から三年半前、上林温泉「せきや旅館」に宿泊した時に
向かい側にあったのが、この「塵表閣」だった。
門構えに風情がある老舗旅館の趣。
かといって敷居の高いイメージもないし
苦手な大型旅館でもなさそう・・悪くない。
家に帰ってから「お気に入り」に入れて、いつか・・と狙っていた。

ところがある時期に料金体系が変わり、部屋と料理の組み合わせによって
何通りもの中から選択するようになり
私達にはちょっと分かりにくくて、気持ちが少しだけ遠ざかる。

それが半年前頃に、久しぶりにサイトを見ると、
「105周年記念」とやらで料金が二通りのみの企画が始まっていた。
これなら、わかりやすい。
すぐに予約した。勿論安いほうの料金で。

さて、久しぶりの長野県内の旅館・・満足度は?

塵表閣
2月でこの雪の無さは驚異的
我家から、のんびり一般道を走っても
1時間半も掛からないところにある上林温泉。

「ご近所の温泉」だから、途中で寄り道もなし。
午後、ゆっくり家を出て、
それでも少し早めに着いてしまう。

宿の玄関の大暖簾をくぐる。
旅館というより、老舗料亭に入るような感じ。
いつも選ぶ宿とは違った趣で少しドキドキ。

玄関を入ると、旅館にしてはちょっと変わった雰囲気。
ロビーというより小さな美術館に迷い込んだよう。
そうなんです
ここは「円実(つぶらみ)」と名が付いていて・・

漱石書
この宿を訪れた多くの文人墨客の作品や書画が
仰々しく、時にはさりげなく展示されているのです。

与謝野晶子・林芙美子・川端康成
夏目漱石・伊藤博文・その他
あまりにも有名な人物が
この宿に訪れていて作品を残している。


度だけ著名人が訪れただけで「ゆかりの宿」になるのとは
ちょっとワケが違う
本物の「ゆかりの宿」

本館一階帳場

本館・離れ・吟心亭を繋ぐ渡り廊下
宿のご主人が「円実」から本館の帳場まで案内してくれて
そこからは仲居さんにバトンタッチ。

小柄で年配の女性だったが軽々と荷物を持ってくれて
お風呂の説明など慣れた口調でしながら
スタスタと足早に案内してくれる。
着いたのは一番奥の建物の二階の「合歓
塵表閣は
全部で十部屋しかない小さな旅館。
しかも殆どの部屋が建物別の「離れ」形式になっている。

今回宿泊したのは宿の中の「吟心亭」という棟。
一番安いプランの客室棟らしいが
一・二階に各二部屋ずつしかないので
他の人と殆ど顔を合わす事も無く終始快適に過ごせた。

吟心亭二階「合歓」

吟心亭二階「合歓」
女将さん手作りの炬燵カバーが嬉しい
仲居さんは「狭い部屋ですが」と
言っていたけれど、とんでもない。


ドアを開けるとエントランスが三畳位と
十畳の昔ながらの落ち着いた和室。

ここでお茶を煎れてもらいながら
宿帳に記帳する。
こういう形式の宿に泊まったのも
久しぶりかも。
窓側には四畳ほどの畳敷きの広縁。
そこには懐かしい形の鏡台があって
縮緬の
これまた懐かしい形の
鏡台カバーが掛けられていた。
これは女将さんの手作り。

あとから聞いて驚いたのだけれど
この宿の「布」という「布」
殆どが女将さんが作ったものだと思っていい。
小物だけじゃない、従業員のユニフォームさえも。
広縁の反対側には木のドアが・・
そこは水回り。
お風呂まであったのは驚いた。
しかもジャグジー。
トイレ、シャワートイレ。
ペーパーの替えも手作りの巾着にさりげなく。
部屋にあった可愛い小箱を開けたら
救急箱と硯箱。
この箱も多分手作り。
小さなポットと湯沸し器も。
やったね♪
ドリップコーヒー、持ってきて良かった。
冷蔵庫の中にも缶ビールやお茶など。
値段、書いてなかったんで
庶民としてはちょっとビビりましたが
あらら、お会計のときに安くてビックリ。
(缶ビール500cc・350円)
ベテラン仲居さんがひとしきり世間話に付き合ってくれてから
露天風呂をすすめてくれた。
「(混浴ですが)今ならどなたも入ってられませんから
貸切で入れますよ。」


女将さん手作りの湯浴み着も部屋に一枚用意されていて
女性にはとても嬉しい心遣い。
実は今回の宿泊の目的は
ここの混浴露天風呂だった。
源泉掛け流し100%のお風呂を
思う存分楽しみたかった。

この暖簾も手つくりだろう。
男女別の脱衣場のドアをそっと開けてみると
どちらにも履物がない、本当だ、貸切♪
木のぬくもりのする脱衣場。
冷たい蕎麦茶が用意されていたけれど
ダンさんは勿論パス。
カミさんは勿論おいしくいただいた。
脱衣場からは、男女別の内湯に繋がる。
ほのかな明るさの中で
湯船から溢れ出る源泉が美しく波状を描いている。



この宿には男女別のお風呂はここしかない。
雰囲気といい、お湯のよさといい、このお風呂に入るだけでも充分満足できそう。
カミさんは、それでもやっぱり、ダンさんと入りたいから露天風呂に向かうけれど。

男性内湯から露天へ出る戸口。
向かい側に女性用の戸口がある。
内湯からそっと木戸を開けて
露天風呂を覗くと、すでにダンさんが待っていた。

貸切なのが分かっているから湯浴み着は使わない。
結局何回か入ったときも一度も使わなかったけれど
今思うと、
一度くらい女将さん手作りの
湯浴み着体験をしても良かったかも。

両方の戸口から出るとこんな景色。
正面の石が境になって左右に広がる露天風呂。

左側の大き目の露天風呂。石を挟んだ右側には小ぶりの露天風呂が
露天風呂は中央に石組があって
二つに分かれている作りなので
女性でも比較的入りやすい形になっている。

思ったよりもコンパクトな印象。
塀や宿の建物に囲まれて
景観がないから尚更そう感じるのかも。

露天風呂の一角にあるジャグジーの桶風呂
反対側の露天風呂にもあって、実質男性用と女性用かな

打たせ湯
この露天風呂は
周囲の景色を楽しむという作りではないけれど
昔からシッカリと守られた最上質の温泉を
純粋に楽しむ自分を感じる事ができる。

景観は無いけれど
内湯からの繋がり部分や
露天風呂から見える宿の建物に
風情を感じながら不思議に落ち着く湯処だ。

内湯に繋がるエリアから露天風呂を見る

露天風呂から見た内湯付近
ダンカミはこの露天風呂がとても気に入ってしまったのだけれど
レポを書く身としてどうしても書いておいたほうが・・と思う事がある。
特に女性のためにね。

それは
さっき景観が無いと書いたけれど、
実は景観どころかとても残念な事があった。
宿になんの責任もないし、どうしようもない事なのだけれど。

いつできたのか。すぐ隣に大きなリゾートマンションが建っていて
部屋の窓がこっちを向いている・・
露天風呂が良く見えるのではないか・・と思われる。
露天風呂の実質女性用の方はある程度の目隠しがされているけれど
焼け石に水・・の感が。
混浴で良かった・・と思う。
混浴だから、女性もマナーの点でも無防備ではないだろうから。
それでも昼間入るのは、慣れない人にはきついかも。
二人が泊まった週末、
夜間に入った時の感じではさほどマンションに入居してないようだったけれど。



それにしても
なんでまた、こんなところにこんなマンションがあるのだろう。
この辺りはとても静かで、数軒ある宿も、みな雰囲気を大事にしているのに。
無粋すぎる
塵表閣さんに大いに同情する。

でもでも、はじめに言ったけれど
それでも二人は、この露天風呂の気持ちよさに合格点です。

無粋すぎる・・隣の邪魔なリゾートマンション

まったくもう・・なんでこんなところに・・
一時間近く入っていたけれど誰も入ってこないで貸しきり状態。
二人だけで入ったのはこの時だけだから
早くにチェックインして本当に良かったね。

部屋に戻って冷たいビールを飲みながら
夕食まで何をしようかな?
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上林温泉 塵表閣
長野県下高井郡山ノ内町上林温泉
0269-33-3151