花かんざし 
安曇野に、釜飯の店「花かんざし」があることは
もう5〜6年前にネット友(大和三山さん)からの情報で知っていた。
「お気に入り」には入れてあったけれど、ついそのままになっていた。


最近、「安曇野で昼食」が、密かにマイブームになっていて
そんな中、思い出したのがこの「花かんざし」

簡単な地図と住所をメモしての安曇野ドライブとなった。
結果的には判りやすい所にあったのだけれど
当初ナビに頼ったのが拙かった。

住所検索で連れて行かれそうになったのは
穂高駅方面。

途中まで走って
「いや、違う。やっぱりこんな所じゃない」
地図を覚えていたダンさんがナビを消して
Uターンする。

予定の時間より押してしまっているので
もしかしたら満席で待たされるかもしれない。

「もしも待たされるなら、他に行こうか」
「うん、お腹すいてるしね」
「並んだり待ったりするほど気長な性格じゃないしね」
「安曇野は他にも沢山お店があるしね」
確か、この辺りのはずだけれど・・

「温泉健康館(日帰り入浴施設)」
「しゃくなげ荘(宿泊施設)」
が目印で
そのすぐ傍のはずだけれど・・


あった・・と言っても
あったのは「看板」

健康館の駐車場のすぐ隣に。

建物は見えなかったけれど
ここに間違いないね。
森に囲まれているらしいこの店の
敷地の周囲をゆっくり車で回ってみる。

敷地中央に木々に包まれた家が見えるが、これが店か?

普通の家に見えるけれど
これしか見当たらないので、多分そうだろう。


大きな駐車場が他にないらしいので
とりあえず、健康館の駐車場に停める。
すぐ隣だし、駐車場といっても舗装もしていない広い空き地なので
気楽に利用できる。
車を降りて看板の所に行くと
その向こうにこんな暖簾が・・

ネットで見た事がある・・
けれど、こんな風に森林の中に
これだけがポツンとあるとは思わなかった。

何か不思議な感じ・・他には塀も何もない。
この暖簾だけ。

でも暖簾のこちらと向こうが
それだけで空気が違うように錯覚させる。


異次元の世界への入口?
ドラえもんの「どこでもドア」?

そんなものを連想するのは、おかしいかな。
ヤケに
この暖簾エリアが気に入って
足を止めて
何枚も何枚も写真を撮っている間に

女性二人連れが先に中に入って行き
そして、すぐに出てきた。
??

あ、もしかしたら
満員で諦めて帰るのかな。


まずい・・

営業時間(入店時間)が短い店は
混んでる事が多いけど、ここもか・・
とりあえず、行ってみよう。
あまり待つなら次の候補の店に行けばいいよ。

ほら、
さっきあったあの店、あそこもなかなかヨサゲだし。
暖簾をくぐって細かな砂利を敷いた道を歩く。

振り返るとこんな風景。




そしてその先にこんな家が。

これが「花かんざし」の店構え。

ほ〜・・普通の家なんだね。

石段を登る。
石段を登ったところから
下を見る。

画像だと随分石段があるように見えるけれど

実際はこのくらい。
玄関を開けて中に入る。
そう、本当に普通の玄関。

「ごめんください」と言いたくなるような。

内側も想像通り、普通の、やや広めの和風玄関。

先客の履物が並べられている。
廊下の奥から男の人・・ご主人か。
静かな物腰で玄関に出てくる。

そして
「えっと・・」と
申し訳ないといった様子で
釜飯の準備がまだ出来ていないという。
用意した分が終って、再び下準備しているということらしい。

ダンさんは迷うことなく「どのくらいかかりますか」と。

御主人が
「そうですね・・今12時半ですから
1時半を過ぎた頃なら・・」


「わかりました。じゃ、その頃また伺いますから」
そうして、名前を告げて席の予約をし
玄関を出た。

ダンさんは
さっきまで「待つのは嫌だ」と言っていたくせに
なんの躊躇もなく「待ちます」宣言をした。



「玄関を入る前もそうだけど、
一歩中に入って、余計にいい♪と思った。
店の人の雰囲気で、益々、ここに決めたいと思った」
と。



そして一時間後・・

再び「花かんざし」の玄関。

御主人が
「何度も申し訳ありませんでしたね」と迎えてくれた。
やはりここは普通の家だ。

椅子が使える部屋も一部屋あって、そこも客室になっているけれど
メインは畳の部屋。

二間続きの和室と広縁。書院造の床の間。
そこに幾つか座卓がある。
庭も自然のままで、木々が美しい。
野鳥のための水呑場で大きな鳥が水浴びをしている。

お店に来たというより
いいお宅の客間に通されたというイメージ。
女将さんや御主人が
忙しそうに客に応対しながらも私達の所に
お茶を出したり、オーダーを聞いたりを丁寧にこなしている。

「お待たせしてすいませんでした」
「何度も来ていただいてすいませんでしたね」

二人とも
物腰が柔らかく、丁寧な優しい話し方をする。

私達は
釜飯と、おばんざいを数種から選べ
お味噌汁とコーヒーが付いたセットを注文。2000円。

釜飯は
ダンさんはアサリ。カミさんはホタテ。

「おばんざい」は
迷ったので、ご主人に相談しながら

「ナスの煮びたし」と「切り干し大根の信田巻き」をチョイス。

「釜飯はこれから炊きますので少しお時間を」と言われ
却って期待が高まる。

ナスの煮びたし

切干大根の信田巻き
先に持ってきたおばんざい。
ナスといい、切干大根の信田巻きといい
ふっくらと炊き上がっていて、おいしい。
ダシとほんのりとした甘み。

釜飯が運ばれてきた。

そのひとつの釜のうえに
「砂時計」が。

蒸らしておりますので
砂が全部落ちるまでお待ちください。


なるほど〜
面白い。

砂時計の砂がサラサラと落ちるまで
しばし待ってる時間が小さい幸せ。
そして、そっと蓋を開ける。

ふわっと湯気と一緒に、いい香りが。

釜飯のできあがり。
いただきまぁす

昆布とカツオのダシがしっかりしているのに
優しい味。

美味しい・・
アサリ飯とホタテ飯
両方をそれぞれいただいたけれど
どっちも本当に選んで良かったと思う味。

ダンさんはお茶碗に大盛りにして2杯。
カミさんは小盛りで3杯。

二人とも綺麗に完食。
頃合を見計らってコーヒーが運ばれて来た。
エスプレッソ。

ご主人と話をしたら
やはりここは住居を改装して店舗にしたのだそう。

その前は穂高駅近くに店があったのだけれど
駅前開発があったので、こちらに移ったそうな。


前の店は知らないけれど
ここに移って大正解だったのではないかな〜っと
心から思う。

玄関から。
ダンさんがお会計を済ませて。
満足して席を立つ。

玄関の外まで女将さんが見送りに出てくれた。
外は雨が降っていた。

女将さんが傘を二つ、差し出してくれる。
「傘はこの敷地のどこにでもいいから
置いておいてくださればいいですから」と。

車までそう遠くないので
傘がなくても大丈夫だったけれど
お気持ちを嬉しくいただいて、使わせてもらった。
味も雰囲気も人も、みんな、期待以上の良さ。

待った甲斐があった。
でも、今度来る時は電話をして席を予約すれば尚良し、だね。


本当に美味しい素敵な時間を・・ごちそうさまでした♪

                                   21年5月下旬訪問
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