合掌造りの村
田や畑の中に立ち並ぶ茅葺き屋根の合掌造りの民家。
一度は誰でも写真などでご覧になったことがあるのでは?
昔、能登へ旅行した帰りに、ほんの少しの時間、立ち寄ったことがあります。
その時の風景が忘れられず、いつかまた訪れてみたいと思っていた地でした。

白川郷 明善寺郷土館

白川郷ふるさと体験館
ところで、世界遺産になっている合掌集落は白川郷だけではない事はご存じですか。
マスコミなどで度々取り上げられている白川郷が一番大きいのですが、
他に、富山県の上平村の菅沼集落、そして平村の相倉集落があるのです。
県が違うと言っても、庄川沿いに並んでいるので、順番に訪れる事ができます。

3カ所とも独特の世界を繰り広げていて、そこだけ時間が止まったかのよう。
感慨深いのは、そこで今でも普通の暮らしが営まれている・・ということです。
世界遺産となってしまった(敢えて、なってしまった、といいます)地域で、
遺産を守りながら生活する事の大変さは、私達の計り知れない事です。

有名になってしまったことで、ひっきりなしに訪れる
観光客への対応も並大抵では無いと思います。
その観光客の一員である私達・・
感動しながらも、半分申し訳ないような複雑な思いの二人でした。





白川郷荻町集落(152戸)

観光客が増えるに連れて大駐車場、公園、ミュージアム、土産物店など
荻町地区の一部はすっかり観光地化され、
そこだけ見ると、イメージが違いすぎて戸惑う人もいるかも。

「せせらぎ公園」内の有料駐車場
隣には重要文化財が集められた
「合掌造り民家園」がある

公園の「であい橋」
庄川に掛けられ、
公園と生活圏(集落)をつなぐ
でも、設備万全の地域を少し離れると、
思い描いていた白川郷に出会うことが出来るでしょう。
私達が、思わず車を停めて魅入ってしまったのは、
合掌造りの民家の裏の田圃で、
ほおかむりの村人が田圃仕事をしている光景でした。
クリックして大きくしてみて下さい。田圃に野良仕事をしている方が見えます。
すぐ近くでは、観光客で賑わっていますが、ここでは昔から変らない生活が息づいているようでした
どんなに丁寧に村の生活を説明している資料館より、この光景が私達の胸を打ちました。
この光景こそ、私達が探しに来たものかもしれません。

民宿  薪がたくさん積んであり、
よく見るとガスメーターなどが見え、
確かにここで生活している様子が
伺われる。

民家の裏に停まっている軽トラックが
いかにも普通の暮らしを
象徴しているように見えた

上平村菅沼集落(8戸)

白川郷荻町集落から約25km走ると、富山県の上平村、菅沼集落につきます。
午後もだいぶ遅い時間だったせいか、
集落入り口の駐車場には数台の車と、一台のバスのみ。
先ほど、少々人の多さに面食らった私達はホッとして村内に入って行きました。

集落と言っても、わずかな空間に10戸、あるかないか・・
でも、ここは私達には素晴しい空間でした。
白川郷では、ようやく見つけた、普通の生活を感じる家。
ここでは、一軒一軒が全部その雰囲気を持っていました。
小さな村が、当り前にそこに存在し、私達は村を「観る」のではなく
たまたま「歩いている」そんな感じ。
一軒の民家の前で、数人の村の方が夕涼みをしている光景が印象的でした。
小さな集落なので、少し歩けば すぐに村はずれ。
そこには、田圃が広がり、さっきから吹いてきた強風で
田圃の緑がざわめきを立てて波打っていました。
そこに佇んで風の音を聞いていると、トトロが空から舞い降りて来そうでした。
いつまでもここに居たい気持ちを抑えて、次の集落を目指します。



平村相倉集落(27戸)

菅沼集落から7キロほど庄川下流に行くと、この相倉集落があります。
道案内に従って、集落の方に走っていくと看板が。
そこには、「集落では普通の生活を営んでいるので
午前8時以前は村内に入らないでください」・・という内容。
そうですよね。ここは普通の村。
朝から観光客がゾロゾロじゃたまりません。
8時という時間設定でも、まだ早過ぎる気がしました。
私達が訪れたのは夕方。
もう、駐車場の車もまばらで、
そのかわり、のんびり村の生活を感じることができました。
ここは白川郷ほど観光地化されていず、
しかも集落としては、菅沼よりも大きいので
ゆっくり散歩をさせて貰うには
程よい規模、ほどよい雰囲気だと思います。
夕方なので、村の方が買い物籠を持って歩いていたり、
犬の散歩をしていたり、子供がサッカーボールで遊んでいたり・・
合掌造りの村でも、私達の生活となんら変わりない光景でした。
遠い昔の夏休み、
田舎の祖母の家に遊びに行った時の私が、
そこにいるような錯覚を起こしそう。
観光客であることも忘れ、
誰にもここに来て欲しくないような、そっと守って欲しいような
そんな勝手な気持ちを拭えないまま、、夕暮れの集落をあとにした二人でした。

                                      14年7月中旬訪問

このパノラマは下の3枚の写真を、ネット友達の”だっく”さんが合成してくださったものです。
クリックすると、大きくなります。111KBです。

                                     だっくさんのHPはこちら
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野外博物館 合掌造り民家園
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