山田温泉 風景館

14年5月中旬
入浴のみ500円
10:00〜16:00
ゴールデンウィークは、普段静かな信州も、県外ナンバーで大賑わい。
そんな時は、ダンさんとカミさんは、温泉に行きたくてもひたすら我慢。

だってそうでしょう。泊まりで行くならいざ知らず、日帰りなのに
いつもより混んでいるかも知れない温泉にはできたら行きたくないからね。
と言うわけで、ゴールデンウィークが一週間過ぎた土曜日、
二人は勇んで(?)車に乗り込んだ。いざ、温泉へ!


今日の目的地は高山郷の山田温泉。
滝之湯や五色の湯に向かう途中で通る、こぢんまりした温泉街だ。
その中の旅館「風景館」に「仙人風呂」という露天風呂があるという。
そこは、外階段をかなり降りた所にあるために冬季閉鎖になるらしい。

そんなことを聞いてしまっては、行かないわけにはいかない二人。
行ってこの目で、冬季閉鎖になるとやらのお風呂を確かめて見なくては!


山田温泉に到着したのは10時ちょっと過ぎ。
風景館の日帰り入浴時間が、10時からだから
ちょうどいい。今行けば、誰もいないかも。
風景館のすぐ目の前に、山田温泉の無料駐車場がある。
車の台数が多くてびっくり。
まさか、風景館の客じゃあないよね。

後からわかったことだが、この車は、すぐ脇にある
日帰り温泉施設「大湯」に来た客だとわかった。
昔からの有名な温泉で、山田温泉のシンボルになっている。

山田温泉のシンボル
大湯
大湯の駐車場にある水車小屋

玄関
風景館の前に立った二人、一瞬ためらった。
「どこからはいるのかな・・」とダンさん。

よく秘湯に行くと、あまりに鄙びていて営業しているかどうか
わからなくて入りにくい所があるけれど、ここはその反対。
構えが立派で気後れしそう。
500円で「お風呂入れてください」とは言いにくい雰囲気。
かといって、まさか裏口からでもないだろう。
(あるんだよね、時々。日帰り客は別の入り口って所。)
ここはひとつ勇気を絞って、いざ出陣、たのもう!

フロントに申し出ると、若きホテルマン、一瞬の間があり
「それが、清掃中なのですが・・」
ちょっとしらけた雰囲気。10時から営業だろうが!
ダンさんひるまず、「いつから入れますか」
ホテルマンちょっと考えて、「11時頃からなら」
「わかりました。その頃来ます」

駐車場に戻ってから、カミさんが
「ねえねえ、また行くの?他でもいいよ。
このあたり、いっぱい温泉あるし・・。」
というと、ダンさん
「なんで?11時に開くって言ってんだから。
せっかく来たんだから、はいろうよ。」
そうだけど・・。なんか日帰りのお客に慣れてないみたい。
あんまり来ないんじゃあないかなあ。びっくりしてたよ。
あの玄関じゃあ入りにくいよね・・と
心でブツブツ・・カミさん。

ドライブ途中で見た八滝
景色の良いこのあたり、新緑の中をまさに森林浴しながらドライブして一時間。
再び風景館へ。
フロントでは私達の姿を見て、あっという顔。
「少々お待ちを・・今確かめて参ります。」と。何を?また清掃タイムをか?

ロビーで待っているとメイドさんらしき人が、通りかかり
私達に気づくといらっしゃいませ〜とニコヤカに言ってくれた。
「こんにちわ、お風呂にいれて頂きに来ました」
と言うと、「それはそれは。すぐ見て参りますからちょっとお待ちを」
と、言うが早いか、今来た廊下を飛んで戻った。
私達が、今聞いてもらってます・・なんて言う暇もないほどすばやく。   
                                  
入れ替わりに若きホテルマン、ニコニコと本当にホッとした様子で    
「お待たせしました。どうぞ」と頭をさげる。
どうやら、さっきまでの戸惑いの表情は、
私達の要望に応えられないための戸惑いだったようだ。

露天風呂への階段
下に見えるのが脱衣場
その若きホテルマン、もうひとりの
少年のような顔立ちのホテルマンに
「お客様をお風呂にご案内して」と告げる。

ご案内?あのう、別にいいんですけど・・。                   教えてもらえれば、自分で行きますから・・
なんなら自分で捜したっていいんですが。

心で思うが口に出せる雰囲気ではない。
「では、履き替えて頂きますので・・。」
言われたまま、室内履にはき替える。
ホテルマン、そばで見守ってくれてる。
いつものドタ靴じゃあなくて良かったあ!
昼食をレストランで食べる事になっていたので
靴、マトモなの履いてたんだ、良かったあ。
清掃は、本当に今終わったばかりらしい。
掃係のおじさんが、これまた極上の笑顔で
「いらっしゃいませ。ごゆっくりどうぞ。」
と言って去っていった。
私達は、勿論 内風呂より先に、露天に向かった。


ホテルの裏のドアを開けて、そこでサンダルに履き替える。
それから、下に向かって、遊歩道のような道を降りるのだ。



周りは新緑。渓流の流れがかなりの音量で聞こえる。


掘っ立て小屋の様な脱衣場が見えてきた。
脱衣場はひとつ。

中は2畳半くらいか・・棚と籠がある。
窓が大きく開いているので、狭苦しさはないが
少し気恥ずかしい。
窓の外は、新緑のみだけど。

 脱衣場から露天風呂を見る
 左に見えるのは渓流

露天から脱衣場を見上げる
途中から、階段になる

露天風呂の先端

脱衣場を出て、数段 階段を降りると、露天に出る。
おお!いい感じ!いい感じ!

露天風呂は、崖の途中で渓流の真上に突き出た形になっている。
目の前は、向こう岸の断崖。風呂から、下をのぞき込むと
流れの激しい渓流・・ちょうど、昨日の大雨の後で、茶色に濁った
川が、激しい勢いで、うねり声をあげている。
「す、すごい・・」
カミさん、絶句。しばし呆然と川の流れをのぞき込んだまま。
ダンさんも想像していたよりも大きい湯船と、雰囲気の良さに驚いた。
大きいと言っても、5.6人なら、なんとか他人同士でも
はいれるかな?と言う程度。
でも、どこかで見た写真では、二人でもやっと・・のイメージが
あったし、この雰囲気の良さは伝わってこなかった。
これは、ぜひとも自分の画像で、
この雰囲気を出したいと意気込んだが・・。

結果からいうと、この露天の雰囲気は、画像では無理。
声も聞き取りにくいほどの渓流の音を聞きながら、
無色透明のお湯に浸かって、何も考えずに、何も話さずに過ごす・・
これを画像に表そうなんて所詮無理。
ダンさんはそう思うと、早々カメラを仕舞って、カミさんの横に行き
あとは、しばし、二人で至福の時を過ごしたのでありました。

昨日の雨で水かさが増えた
激流を、すぐ真下に見る
新緑と、激しい渓流の音の他は何もない
内湯にもしっかり入って、その帰り際
廊下で清掃のおじさんに会い、カミさんご機嫌で
「素晴らしい露天でした。ありがとう!」と挨拶。
おじさんも、それはありがとうございます、とぺこりと頭を下げた。

フロントでは落ち着いた感じの女の人がどこからか現れて
「お粗末様でした。またおいでください」と
笑顔で言ってくれた。
カミさん、また笑顔で「イイお湯でした」

内湯、男女同型。檜の湯船が気持ちいい。
窓からの眺めも良く紅葉など最高だろう
駐車場に行く前に、恒例の宿の前の写真撮影。
カミさん、さっきから至極ご機嫌。
それはそうだ。
慇懃無礼な気がして、気後れした旅館のお風呂に
ダンさんが憶せず、入ろうといってくれたから、
こんな楽しい日になったんだもの。
露天風呂の中でもずっと言っていたセリフを、駐車場でもまた繰り返す。
「嬉しい。嬉しい。」

ダンさんは笑って言う。

「まるで、“嬉しいお化け”だな」
カミさんは意味がよくわからなかったけど、
また、つい「嬉しい」・・と言ってしまう。

さて、これから山田牧場に行って、お昼お昼!
                                  カミさんのオマケ話      
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